2009年07月19日
DPC評価分科会長西岡先生、トヨタ記念病院安田先生に挟まれての講演!
7月15、16、17日の3日に渡って、毎年恒例のホスピタルショウが開催されました。
最終日金曜日の病院経営フォーラムでは、中医協DPC分科会長の西岡清先生、トヨタ記念病院副院長の安田武司先生というビッグなお二人に囲まれて、GHC社長渡辺が講演をさせていただきました(めずらしく(?)、本人は緊張していたそうです)。フォーラムのタイトルは、「本格的DPC環境下での病院経営」。会場一杯に集まった参加者から、関心の高さが伺えました。
さて、トップバッターの西岡先生の話は、「新たな機能評価係数とDPC制度の課題」と題して、現在、DPC評価分科会で議論が行われていることをわかりやすくおさらいするような内容でした。
これまでの議論の経緯について説明してくださった上で、現在、①正確なデータを提出していることの評価、②効率化指数、③複雑性指数、④診断群分類のカバー率――の4項目は基本的に確定しており、●救急関連、●患者の年齢構成、●診療ガイドラインを考慮した診療体制、●医療計画で定める事業、●人員配置、●医療の質に関するデータの公開――の6項目は引き続き検討を行うことを改めて報告されました。
さて、渡辺は、「医療の質とはどのように考えるべきか?」という話からはじめ、DPCデータを用いた医療の質を測る方法について、ベンチマーク分析やガイドラインとの比較の実例を紹介しながら説明させていただきました。最後に、「医療の質に関わるデータの公開」として、アメリカにおける2つの事例を紹介。1つは、「Dept of Health and Human Services」という米国政府が公開しているサイトで、日本の郵便番号に当たるZip codeを入力すると、近隣にある医療機関が検索され、それぞれの比較情報を得られるというものです。そして、もう1つは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)による評価指標の開発。病院や医師が自主的に参加して、評価指標に関する遵守状況をデータベースに登録するという取り組みですが、参加していなければ専門医の免許を更新できないということもあり、全米でじわじわと浸透してきています。
最後のトヨタ記念病院の安田先生の講演は、DPCデータを活用してどのような分析を行っているのかを紹介してくださいました。安田先生は、DPCの導入によって診療内容の可視化(見える化)が実現し、その結果、コスト意識が生まれたこと、他院とのベンチマークが可能になったことが大きいと強調。さらに、DPCの導入をはじめ、7:1入院基本料の取得など、急性期シフトは実現した今、①クリティカルパス、②退院支援、③質評価、④患者満足、職員満足――の4つのポイントから改めて見直すことが必要と述べました。
また、質疑応答では、病床稼働率を高める活動について質問が挙がり、「院長の方針で稼働率についてはふせています。平均在院日数は現在、10.5日から11日くらいで、これは今後も見ていきますが、病床稼働率については、たとえ78%程度になっても効率化は進めます」ときっぱり宣言されました。
広報部 |
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