GHCブログ

2009年12月17日

経営マネジメント研修――千葉県がんセンター

「医師が増えれば売り上げが見込めるんだから、臨床研修プログラムの維持に1,000万円をかけるのは決して間違いではない」 「ただ、臨床研修プログラムを一度評価する必要はありますよね」

「繰り入れがないということは、市からも市民からもいらないと思われているのでは?」

「救急を担っていることを市民とか議会にちゃんとアピールできていないことが問題」 「いや、救急をちゃんと担っていないと思うんだよね」 「救急に特化するのであれば、病床数が多すぎる」 「どういう機能でいくのかを早い段階で決めて、ビジョンを描くべきだったんだよね」 「ビジョンがないから繰入金も入らないし、市民や議会にアピールすることもできないんですよね」


次々と挙がる厳しいコメント。 もちろん、千葉県がんセンター自体の話ではありません。 経営マネジメント研修での一幕です。

千葉県がんセンターでは、GHC流石が講師役を務め、全8回シリーズで経営マネジメント研修を実施しています。この研修は、架空の病院に関するストーリーを土台に、ディスカッションをしながら、経営について考えてもらうというもの。

今回流石が用意したストーリーのテーマは、組織論。患者減少、ライバル病院の存在、院内の対立など、さまざまな問題を抱え、経営不振に陥った病院を舞台に、「どこに問題点があるのか、あったのか」「生き残りの道はあるのか」「もし自分がその病院の院長、副院長だったらどんな舵取りをとるのか」を議論していただきました。

A4、5枚に渡るストーリーをまずそれぞれ読んでいただき、4~5人でグループディスカッション、そして最後に全体で意見を出し合うという流れです。

このケースメソッド形式の研修に答えはありません。考えること自体に意味があります。 また、人によって視点が異なるため、集まるメンバーによって、挙がる意見も導き出される答えも変わります。そうしたさまざまな観点の意見を聞くことも貴重な体験です。

すっかり外も暗くなった夕方6時に始まった経営マネジメント研修。医師、地域連携室、栄養科など、職種の垣根を越えて集まったメンバーは皆自主参加。当然、経営に関心のある方ばかりです。約2時間の研修終了後も、立ち止まって、「やっぱり救急を…」「病床稼動が…」など議論が盛り上がっていました。




広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。