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2010年02月01日

DPCの新たな機能評価係数、救急と地域医療も導入決定――中医協総会

1月29日(金)の中央社会保険医療協議会総会で、DPCについて議論が行われました。

段階的に廃止されることが決まっている調整係数に変わって、新たに導入される機能評価係数については、「データ提出」「効率性」「複雑性」「カバー率」(それぞれ仮名称)の4項目に加えて、救急医療を評価する指標と地域医療への貢献を評価する指標の2項目も2010年度改定で導入されることが決定しました。

「救急医療に係る評価」は、緊急入院の場合、予定入院に比べて、診断を下すまでの初期治療にコストがかかるため、その部分を係数でカバーするために考えられたもの。 具体的には、以下の式が提示されており、概ねこれで決定とのことです。

○緊急入院患者と全入院患者の入院2日目までの包括範囲の費用の差額を、医療機関ごとに診断群分類及び救急患者の数に応じて評価

〔指数〕 =Σ{診断群分類毎の緊急入院と全入院での初期治療の費用の差額×(診断群分類毎の当該医療機関の救急患者数/診断群分類毎の全DPC対象病院の救急患者数)}  ※{}内の式をDPCコードごとに計算し、合計するということ


一方、「地域医療に係る評価」は、4疾病(がん、高血圧、糖尿病、脳卒中)5事業(救急医療、災害時における医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)に関する対策に貢献している病院を評価するのが目的。

29日の中医協総会では厚生労働省より下記の案が提案されましたが、一部見直しの声もあがり、決定には至っていないようです。

下記の項目ごとに1ポイントを加算した総ポイント数(0~5ポイント) ・「がん」:地域がん登録への参画の有無 ・「救急医療」:医療計画上定められている二次救急医療機関で、病院群輪番制への参加施設、拠点型又は共同利用型の施設、あるいは救急救命センター ・「災害時における医療」:DMAT(災害派遣医療チーム)指定の有無 ・「へき地の医療」:へき地医療拠点病院の指定の有無 ・「周産期医療」:総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センターの指定の有無


また、現在の調整係数のうち新機能評価係数に置き換える比率や、それぞれの項目の重みづけについてもまだ決定しておらず、今後も議論が続きます。

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広報部
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