GHCブログ

2013年07月31日

ToCoMシンポジウムで講演

 7月19日、名古屋市内にて開催された東海自治体病院DPC勉強会東海コンソーシアム(Tokai Consortium for Municipal Hospitals 略称:ToCoM代表世話人:世古口務先生・松阪市民病院)」主催のシンポジウムに参加し、弊社取締役社長 渡辺幸子が「2025年を乗り越える急性期病院とは~DPC病院として急性期の姿を考える~」と題し特別講演を行いました。  渡辺の講演に先立ち、ToCoMの代表世話人である松阪市民病院の世古口務先生より、ToCoMの設立経緯、過去11回の活動内容の報告がありました。その中で、世古口先生は「ToCoMの設立と運営に関してはGHCから様々なサポートを受けている」と、弊社がToCoMの毎回勉強会で使われているデータ分析の面で活動を支援していることを紹介して下さいました。 sekoguchi

ToCoMの活動を紹介する世古口先生

 その後、弊社取締役社長 渡辺幸子が「2025年を乗り越える急性期病院とは~DPC病院として急性期の姿を考える~」と題し特別講演を行いました。  渡辺からは、医療の分野における2025年問題について問題提起をし、2025年がどのようになっているのか、また、2025年に向けて急性期病院としてどのような活動をしていかなければならないのかについて講演しました。  講演の中で渡辺は、社会保障制度改革国民会議でも議論されている、「いつでも好きな所でお金の心配をせずに求める医療を受けることができる」時代から、今後は「必要なときに適切な医療を適切な場所で最小の費用で受けることができる」時代になったこと。すなわち、「病院で治す」時代から、「地域全体で、治し、支える医療」の時代に変化していることを紹介し、今後、地域医療の「地域の包括ケア」の中で、どの急性期病院もこの流れに組み込まれていくことを指摘しました。  そのうえで、2025年の激動に向けた急性期病院の取り組みとして、「地域医療を支える面」と「急性期病院としての面」から、どのような活動が必要かを紹介しました。地域医療を支える面では、(1)地域需要に合わせた病床数の適正化と機能分化(2)医療連携(紹介・逆紹介)を通じた増患増収対策(3)亜急性・回復期、介護施設、診療所との連携によるシームレスケア(4)外来診療のマネジメント―の4つが必要であることを指摘しました。また、急性期病院として面では、既に多くの病院で取り組まれていることも踏まえたうえで厚生労働省の入院医療等の調査・評価分科会での議論も紹介しながら、(1)在院日数のマネジメント(2)手術部のマネジメント(3)チーム医療の充実とリハビリ部門の活性化―の3つが重要であることを説きました。

watanabe 講演する渡辺

 基調講演に引き続き、シンポジウムが開催され、冒頭、弊社コンサルタントの加藤隆之が「これからの病床機能分化について」と題し、「ToCoM病院の平均在院日数と症例数の概況」を紹介したうえで、2035年までの東海地区の人口予想から見えてくる人口動態を示し、今後、東海地区の地域医療連携をどのようにしていくのかという点について問題提起をおこないました。シンポジウムの中では、自治体病院(公立病院)が地域医療を担っていくうえで、必要とされる視点や考え方についてシンポジストから積極的に意見が出されました。

パネル シンポジストとして登壇した加藤(右から2番目)

*東海自治体病院DPC勉強会「東海コンソーシアム(Tokai Consortium for Municipal Hospitals 略称:ToCoM)」とは* 2009年6月に、東海地区(愛知県・岐阜県・三重県)の自治体病院20病院があつまり、全国初の自治体病院におけるDPC勉強会として発足しました。参加病院が各病院名を実名で公開し、DPCデータをもとに治療内容などのベンチマーク分析を年2回程度実施しています。本会は各地域における病院間比較を通して、自治体病院全体の経営の質、医療の質の向上をめざし、積極的に改善策を模索する場です。また、近隣地域の自治体病院同士の助け合い向上と互いの顔が見える関係構築強化も目的のひとつにかかげています。運営は参加病院の事務局が実施し、各施設の自主的な参加・提案のもと、過去11回の勉強会を開催しました。現在は、対象県に長野県、静岡県等も加わり、また東海地区以外の自治体病院のオブザーバー参加も可能。弊社はデータ分析の面で活動の支援をしています。

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。