2013年08月05日
入院医療等の調査・評価分科会 中間取りまとめ案公表!!
7月31日(水)診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会が厚生労働省(以下厚労省)で開催されました。
今回はこれまでの議論を踏まえ、中央社会保険医療協議会(以下中医協)総会に提案する「中間とりまとめ(案)」(以下取りまとめ案)が公表されました。
当日の配布された取りまとめ案(全15ページ)は下記からご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147693&name=0000013690.pdf
取りまとめ案では、「
一般病棟入院基本料に関して(平均在院日数に関わる項目・重症度・看護必要度の見直し・その他の指標)」、 「
亜急性期入院医療管理料等の見直しについての影響」、「
医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の検討」、「
特殊疾患病棟や障害者施設等から療養病棟に転換した場合に対する経過措置」、「
診療報酬点数表における簡素化(栄養管理実施加算と褥瘡患者管理加算の包括、入院基本料等加算の簡素化)医療機関における褥瘡の発生等」の6つのテーマに沿って、次回改定の方向性を提示。それをもとに議論が行われました。
今回の議論内容を踏まえ具体的な内容に関して今後さらにつめていく予定。
明確な賛否が分かれた項目が前回も争点となっていた「
特定除外制度廃止」に関して。取りまとめ案によると、7対1、10対1入院基本料を算定する病棟において、「
特定除外項目に該当する患者については、2012年度診療報酬改定において実施した13対1、15対1入院基本料と同様の取扱とすること」と記され、「
診療を終えた患者が、スムーズに自宅や次の医療機関へ移行できる仕組みや、受け皿となる医療機関、病床の整備についても併せて考えていく必要がある」とも併記されています。
2012年度改定では、特定除外制度の廃止に伴う措置として90日を越えて13対1、15対1入院基本料を算定する病棟に入院する場合、「
平均在院日数の計算対象とするが、出来高で算定」「
平均在院日数の計算対象としないが、医療区分やADL区分を用いた「療養病棟入院基本料1」と同じ評価」のいずれかを選択できるようになっています。
次回改定で特定除外制度が廃止された場合、7対1、10対1でも同様の措置が図れることになるようです。
今回の議論では、賛成委員がいる一方で、
石川広己委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会 理事長)は、「
すべての委員が合意をしているわけではないことを記載し両論併記で中医協総会へ提案してほしい。特定除外廃止は病院に聞き取りを行ったが、一定の割合がある」と特定除外制度廃止に反対の姿勢を示しています。また、
神野正博委員(社会医療法人財団董仙会 理事長)は、「
オールオアナッシング(すべてを廃止するかすべての制度を残すか)ではなく、病気ごとにもっと細かく検証して設定していくべき」といった主旨の内容をコメントしていました。
こうした厚労省の特定除外制度廃止案を受けて、その実態を把握するために、現在四病院団体協議会(四病協)が、日本医師会(日医)が共同で調査を実施。
特定除外該当患者の病棟ごとの人数や、退院患者の受け皿となる連携先を十分に確保できているかどうかなどを把握し、今後の議論に参考にすることが目的。 調査結果は9月中旬にも公表されるそうです。
重症度・看護必要度の調査項目に関しては、今回の取りまとめ案で「
時間尿測定及び血圧測定の削除」、 「
創傷処置については褥瘡の処置を定義から外す」、「
呼吸ケアについては痰の吸引を定義から外す」、「
抗悪性腫瘍剤の内服、麻薬の内服・貼付、抗血栓塞栓薬の持続点滴、計画に基づいた10分間以上の指導、計画に基づいた10分間以上の意思決定支援を、定義を明確にした上で、A項目に追加」という具体的な削除追加項目が示されていました。
参考資料には、取りまとめ案の内容を反映した場合の医療機関への影響を病床区分別に分析した結果を掲載。その結果、削除追加項目の内容を変更し、いくつかのパターンに分けて、分析したところ、特に「
創傷処置」と「
呼吸ケア」を削除した場合、7対1入院基本料一般病棟で、重症度看護必要度の基準をクリアする医療機関が少なくなることが明らかになりました。
この結果に対して、厚労省担当官は、記者団対し「
創傷処置と呼吸ケアがいかにA項目得点をかせぐために使われるかがわかる」と述べていました(
図表1参照)。
図表「時間尿測定」「血圧測定」「創傷処置」「呼吸ケア」の削除と追加項目の全てを反映した場合
出典:平成25年度第7回 入院医療等の調査・評価分科会(7月31日開催)
厚労省配布資料「入-1参考」P15より
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147694&name=0000013691.pdf
なお今回の議論では、最終的にどういった内容を削除追加するかは決定しませんでした。
重症度・看護必要度に関しては弊社でも勉強会を立ち上げ、DPCデータとひもづけ、さまざまな分析を行っております。研究会内容は下記からご覧ください。
看護必要度勉強会
/kango
そのほか、取りまとめ案には7対1の算定要件としてDPCデータ提出が加わること、亜急性期入院管理料の見直しにあたって要件の1つとしてDPCデータ提出が検討されていることなどが盛り込まれておりましたが、DPCデータ活用に関しては、賛成委員が多かったです。
さらに詳細な内容は今後も引き続き、同分科会で議論していく予定。
【参考資料】 平成25年度第7回入院医療等の調査・評価分科会議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000013633.html
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