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2010年10月04日

全国50病院のがん診療連携拠点病院で実名ベンチマーク

10月2日(土)、愛知県がんセンター国際医学交流センターにて、第6回CQI(Cancer Quality Initiative)研究会の会合が開催されました。

前回から世話人6施設以外にもがん診療連携拠点病院に門戸を開き開催している本研究会。今回は、前回よりも多い50病院から80名近くの方が参加し、施設名をオープンにした上で行ったベンチマーク分析の結果を発表するとともに、その結果をベースに質疑応答が繰り広げられました。



会合は、CQI研究会代表世話人の愛知県がんセンター中央病院病院長・篠田雅幸先生の挨拶で幕を開け、続いて、千葉県がんセンター経営戦略部長の浜野公明先生がこれまでの活動について報告。浜野先生は、研究会での議論、ベンチマーク分析の結果を院内にそれぞれが院内に持ち帰って、現場にフィードバックしてほしいと伝え、その方法を下記のように紹介されました。

◎院内フィードバック方法 ・クリティカルパス委員会:他施設を参考にしながら、パスの改定を検討 ・院内検討会の開催:実施設名での比較分析による信頼性と刺激 ・施設間の情報交換:詳細な内容について直接問い合わせ

浜野先生(写真左)と相馬(同右)

そして、セッション1では、四国がんセンター 化学療法科・血液腫瘍内科の吉田功先生を座長に、胃がんについてグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン マネジャーの相馬理人が、肝がんについて栃木県立がんセンター 外科外来部長の尾澤巌先生が分析結果を報告。

尾澤先生

セッション2では、神奈川県立がんセンター 泌尿器科部長の三浦猛先生を座長に、食道がんについて栃木県立がんセンター院長の清水秀昭先生が報告されました。

いずれのがんについても、手術の内訳や術後の在院日数、術中使用薬剤や周術期抗生剤の使用状況、術後食事開始日やパスの適用状況など、一部については、アンケート調査結果とデータから把握した実際の診療内容との乖離についても検証し、病院間比較を行いました。

「自院は他の施設と比べてどうか?」「全施設の平均に比べて、どれほど乖離があるのか?」「一番在院日数が短いあの病院はどこか?」「著名な先生がいる、あの病院の状況はどうか?それに比べて自院は?」など、やはり気になります。すべての結果を、                                                        施設名を明らかにした上でグラフ化して紹介しているため、スライドが変わるごとに、後ろのほうの席の方は前に身を乗り出して自院の位置づけをチェックされていたり、右に左にと頭を動かしながら真剣に結果をご覧になっていました。


会合の最後、質疑応答で意見を求められたCQI研究会代表世話人の篠田先生は、「食道がんはもっとバラツキがあるだろうと思っていましたが、大きなばらつきは見られませんでした。ただ、各施設の特徴はやはり表れていましたので、標準化に向けて、まだまだやるべきことがあります。院内に戻ってフィードバックし、検討していただきたい」と、参加者に訴えられました。

閉会に当たっては、次年度の幹事である栃木県がんセンター病院長の清水秀昭先生が挨拶を行われました。次回の会合は、来年5月に開催し、2010年のDPCデータを用いた分析結果を報告する予定です。

清水先生

今回ご参加頂けなかった、がん診療連携拠点病院の皆さま、次回のご参加をお待ちしております。


当日のプログラム


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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。