2010年10月08日
手術室も効率化を!――手術学会総会
10月1日、2日の2日間に渡って、パシフィコ横浜にて第32回日本手術学会総会が開催されました。
◎公式ホームページ
http://jaom32.umin.jp/総会のテーマは、「
社会状況変化に即応した手術医療」。
聖域と言われがちな手術においても、やはり社会環境の変化に対応して、改革を行わざるを得なくなっていることを実感するテーマです。
GHCからは、マネジャーの相馬理人が「
手術部運営の効率化に向けて―効率化の指標とは―」をテーマに、一般演題でプレゼンをさせていただきました。
DPCデータの分析というと、まず包括部分に目がいきがちですが、手術を代表とする入院出来高部分は病院収益の約3割を占めます。「包括部門の標準化と同時に出来高の強化が重要」とのメッセージを伝えた上で、手術部門の位置づけを見直し、運営の効率化を進める方法を説明しました。
重要なのは、外来を優先した手術枠の設定から、
手術を優先した設定へと発想の転換を行うこと、そして手術室の
稼働状況を可視化することで「暗黙知のかたまり」だった
手術室運営を「形式知」化するということ。その具体的な方法、事例を紹介しました。
そして1日目の朝一番のシンポジウム1でも、手術室の運営をいかに効率化するかということをテーマに、東京医科歯科大学の田中直文先生、新潟大学の堀田哲夫先生が司会を務め、5人の方々が講演をされました。
そのうち、特に興味深かった講演内容について紹介します。
全国国立大学手術部会議幹事会WG-3が発表されたのは、「全国機関病院手術室現状調査から見た、手術件数・手術時間の現況」について。159施設(調査手術総件数:26,085件)を対象に行った調査結果の紹介でした。
調査結果によると、1床あたりの平均手術件数は7.5件、1床あたりの麻酔料管理手術件数は4.9件でした。ちなみに、この数値は、GHCが保有しているデータベースを見ても、同様の値が得られます。
また、1床あたりの手術件数は、400床未満、400床以上600未満、600床以上という規模別、また、手術室の広さとは特に相関関係は見られず、一方、運営母体別では医療法人や共済済生会が多い傾向にあったそうです。
さらに、ベストプラクティス病院として施設名は伏せて紹介してくださったのは、326床、手術室9室の病院で、調査期間2週間で202件の手術を行っていたそうです。
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広報部 |
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