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2010年12月04日

救急患者の病院収容時間は年々増加――「平成22年版救急・救助の現況」

総務省消防庁が、3日、「平成22年版救急・救助の現況」を発表しました。

これによると、21年中の救急車による救急出勤件数、救急搬送人員はともに前年よりも増加しており、それぞれ512万2,226件(2万5,132件増)、468万2,991人(4,355人増)でした。

現場到着までの所要時間は全国平均で7.9分(前年7,7分)、医療機関収容までに要した時間は全国平均で36.1分(前年35.0分)。いずれも、年々長くなっている傾向が見られます。

病院収容時間、現場到着時間の年次推移 救急車の病院収容時間、現場到着時間の年次推移 (総務省消防庁「平成22年版 救急・救助の現況」より)


また、平成22年4月現在の救急対数は4,910隊で、救急救命士として運用されている救急隊員数は2万383人(対前年比1,015人増)。救急救命士がいる救急隊は全体の93.1%を占め、目標としている「全ての救急隊に救急救命士が1人以上配置される体制」に着実に近づいているとのことです。

このほか、心原性かつ一般市民による目撃のあった心肺機能停止傷病者のうち、一般市民によって応急手当てが行われた場合の1ヵ月後生存率は13.8%で、行われなかった場合の9.0%に比べて、約1.5倍高くなっていました。また、1ヵ月後社会復帰率も応急手当てが行われた場合は9.1%、行われなかった場合は4.9%で、現場に居合わせた一般市民によって迅速な救命手当てが行われるか否かも、救命、社会復帰の重要なポイントと言えそうです。

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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。