2010年12月07日
IT市場の成長率、医療分野がトップ
IT専門の調査会社であるIDC Japanが、IT市場規模について、2008年、2009年の実績値と2010年~2014年の予測値を公表しました。これによると、2010年の前年比成長率は医療分野が2.8%(市場規模4,619億円)で最も高いそうです。
IDC Japan社のリリースによると、日本経済の緩やかな回復に伴い、2010年は、多くの産業でIT支出がプラスに転じているとのこと。
ただ、国内IT市場規模の前年比成長率は0.6%のプラス成長(市場規模12兆3,373億円)とのことなので、医療分野の2.8%成長は、他分野に比べてかなり高い成長率です。
ちなみに、他分野では、情報サービスが前年比成長率2.4%、市場規模7,229億円で、公共・公益は同1.6%、2,468億円。一方、証券・その他金融は同マイナス2.2%、2,633億円、建設・土木は同マイナス1.1%、1,562億円、一般サービス・その他は同マイナス1.0%、5,515億円などとなっています。
ところで、今年5月11日に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が公表した「新たな情報通信技術戦略」では、医療関連の「具体的な取組」として、下記のような項目が打ち出されました。
ⅰ)「どこでもMY病院」構想の実現
全国どこでも自分の医療・健康情報を電子的に管理・活用することを可能にするという構想。「遅くとも2013年までにその一部サービス(調剤情報の管理など)を開始する」とのこと。
ⅱ)シームレスな地域連携医療の実現
情報通信技術を活用した地域連携クリティカルパスや医療から介護までに健康に関わる施設間でのシームレスなデータ共用を可能にする体制を構築するというもの。「遅くとも2015年までに」、地域医療支援病院を中心に、生活習慣病などを対象とした、シームレスなデータ共有体制を構築。
ⅲ)レセプト情報等の活用による医療の効率化
匿名化されたレセプト情報等をデータベースとして、厚労省で集約することを一層推進するというもの。
ⅳ)医療情報データベースの活用による医薬品等安全対策の推進
医薬品の副作用情報等をリアルタイムでモニターし、安全対策の充実・強化を図ることができるようにするよう、レセプト情報や電子カルテ情報のデータベースを活用できる体制を整えるというもの。
このⅰ~ⅳが提示されている時期までに実現できるのかは、正直なところ、わかりません。一筋縄ではいかないのだろうなという感じはします。
ただ、医療界でもITがより浸透し、個々の病院にとっても、うまく活用する必要性が増していくことは間違いないですね。
◎IDC Japan リリース
http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20101202Apr.html◎IT戦略本部「新たな情報通信技術戦略」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/100511honbun.pdf
広報部 |
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