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2011年06月23日

医療実調誤送付問題「あきれて物が言えない」。今後の対応策について慎重に検討

6月22日、中央社会保険医療協議会総会(以下、中医協)が全国都市会館(東京都千代田区)で開催されました。

全国都市会館は、厚労省の会議室より広くて涼しい場所。最近の厚労省での検討会は、蒸し暑い会議室で、すし詰め状態で行わることが多いため、快適に傍聴できました。


いつもより涼しくて快適な会議室でもいつも通りいっぱいの人




さて、本日は、いくつか議題がありましたが、ほとんどの時間を「医療経済実態調査(以下、医療実調)の調査票の誤送付について」議論されました。

医療実調は、2週間ほど前に行われた中医協臨時総会で日本医師会の反対を押し切って、実施されることが決定された調査。その際に、中医協の各委員と厚労省が再三、確認しあったことが「東日本大震災で被害を受けた地域の医療機関に配慮して実施する」ことでした。 その配慮とは、全壊した病院や被害を受けた医療機関などには調査票を配布しない、あるいは配布の可否を医療機関に事前確認し、配布を決めるということ。

しかし、医療実調は厚労省が委託した業者の手違いで被災地域の医療機関にも配布されてしまいました。

まだまだ記憶に新しい臨時総会を実施した意味がまったくなかったようなこの失態について、厚労省の理由説明と今後の対応についてが今回の争点でした。

まず、厚労省担当官から今回の誤送付の詳細と今後の対応について説明がありました。 これを受けて、西澤寛俊氏(全日本病院協会会長)は、開口一番「あきれて物が言えない」と発言。さらに、今回の発送ミスを犯した委託業者であるみずほ情報総研に対し「責任が大きい」と強調し、「中医協委員にも責任があった」と述べ、このような事態を二度と繰り返さないための対策を練っていく重要性を示しました。

一方、鈴木邦彦氏(日本医師会常任理事)からは、「これだけの大震災で、何事もなかったかのように調査をして良いのかと思ったのに、何事もなかったかのように調査票が送られてしまった」といった内容をコメント。「被災地の医療機関と医師会に多大なご迷惑をおかけしたことについて申し訳ない気持ちでいっぱい」と述べました。

また、みずほ情報総研が作成してきたこれまでのデータの信頼性について、中医協の各委員からは、疑問視する声があがりました。

今後の対応については、被災地域の調査対象外などの医療機関へは、個別に訪問し、お詫びするとともに、委託先に対する管理体制については、「責任体制、役割分担の明確化」「文書による指示の徹底」「ダブルチェック、上長によるチェックの徹底」「再委託先選定チェック、管理の徹底」などを実施する方向。

委託を決定した入札の経緯についても、厚労省が文書にまとめ、中医協委員に提出することが決まりました。 調査結果の公表のスケジュールについては、変更なく10月を目処に取りまとめていくとのこと。

最後に、森田朗会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)から、「誤送付の問題とデータの信頼性は別の問題」としたうえで、「中医協の委員の何人かにご意見を聞きながら、外部委員を加えて、今回の問題について中医協が中心となって検証していきたい」といった主旨の内容を発言しました。

そのほか、「平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成23年度調査)の実施について」などを議論。「後発医薬品の使用状況調査 調査票(案)」「リハビリテーション見直しに関する実態調査」を発表。各調査案ともに委員の合意が得られました。


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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。