GHCブログ

2014年04月03日

7対1、地域包括ケア病棟の順ならOK-診療報酬改定の疑義解釈

2014年度診療報酬改定を受けて厚生労働省は、疑義解釈資料(その1)を地方厚生局などに事務連絡しました。それによると、10対1入院基本料を3月末時点で算定していた病院が4月以降、7対1に移行した後に、一部の病棟で地域包括ケア病棟入院料を届け出ることを認めるとしています。 ただ、10対1や13対1入院基本料を3月末時点で算定していた病院が、4月以降に一部の病棟を地域包括ケアに切り替え、ほかでの看護配置を手厚くして7対1を算定することは認められません。 地域包括ケア病棟は、急性期病床を退院した患者の受け入れや在宅復帰支援などが役割で、従来の亜急性期病床に替わるものです。急性期の患者を受け入れる病棟ほど手厚く看護職員を配置する必要がないため、急性期からこちらに切り替えると看護師の配置にゆとりが生まれるというメリットを見込めます。 また事務連絡によると、総合入院体制加算1の施設基準のうち「化学療法/年4000件以上」の取り扱いは、入院か外来で実施した「化学療法1レジメン」(治療内容)を1件とカウントし、内服のみのレジメンはカウントの対象外にします。 総合入院体制加算は総合的・専門的な急性期医療の提供を評価するもので、今回の診療報酬改定では、加算を1と2に分け、このうち1の点数を従来の倍の1日240点(14日まで)と高く設定しました。厚労省では、都道府県全域の救急患者(三次救急)を受け入れる拠点病院による算定を想定していて、化学療法のほかにも、▽人工心肺を用いる手術を年40件以上▽悪性腫瘍手術を年400件以上▽分娩を年100件以上-などすべてのクリアを求めています。 一方、従来の救急医療管理加算は2区分に再編し、加算2では1日400点(7日目まで)と点数を半減させました。意識障害や呼吸不全など重篤な患者の緊急入院と、それに準じる患者を受け入れた場合への評価にメリハリを付けるためで、「それに準ずる」状態の患者を受け入れたときには加算2を算定します。 事務連絡によると、この加算は緊急入院時に重篤な状態の患者が対象なため、入院後に症状が悪化する可能性があると認められても、対象にはならないとしています。
特定集中治療の常勤医「習熟ぶりの証明資料」も
このほか、特定集中治療室管理料のうち、今回の診療報酬改定に伴って新設された管理料1と2を算定するために常勤配置する「特定集中治療の経験を5年以上有する医師」について、「集中治療部門での経験が5年以上ある」としたほか、治療に習熟していることを証明する資料の提出を求めています。 事務連絡は3月末付で、診療報酬改定後の医科、DPC、歯科点数表の具体的な運用方法を盛り込みました。DPC関連では、「7日以内の再入院」を「一連の入院」とみなすかどうかについて、再入院の「入院の契機となった傷病名」のDPCコードの上2ケタ(診療科)が、最初の入院の「医療資源を最も投入した傷病名」のものと一致するかどうかで判断するとしています。 また、DPC対象病院を退院した患者が、その病院と開設者が同じなど「特別の関係」にある別のDPC対象病院に、DPCコード上2ケタが同じ傷病で入院した場合も「一連の入院」とみなし、入院期間を通算します。 診療報酬改定の疑義解釈資料は今後も五月雨式に出てきます。前回の診療報酬改定で最後の17本目が出たのは昨年11月で、今回の改定に向けた議論がもう活発化している時期でした。具体的な運用面ではまだまだ分からないところが多く、しばらく注目していきたいですね。

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。