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2011年10月12日

中医協 地域医療貢献加算は一定の効果あり

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10月12日、中央社会保険医療協議会が厚労省で開催されました。

今回の主な議題は、「外来管理加算、地域医療貢献加算について」、「明細書の無料発行義務化について」の2点でした。


数多くの人で蒸し暑い厚労省の会議室で開催されました




本日は、各議題における24年改定に向けた課題や問題点などの話し合いが行われました。 まず、外来管理加算に対して、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「5分を超えて直接診察を行っている場合に算定できる」とされた「5分ルール」が22年改定で廃止された点について、「現場で非常に違和感を感じていた」と発言し、廃止について好意的な意向を示しました。 また、配布資料のなかの「外来管理加算の算定要件の見直しによる影響(医療機関:診療の状況)」に関する調査結果から、病院と比較し、診療所の方が患者さんの症状等に合わせた問診や説明をこれまで以上に心がけるようになった割合が高かったことを指摘し、「診療所の先生方は良心的に診療を行ったという、気持ちが伝わってくるような結果であった」といった内容をコメント。

地域医療貢献加算については、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、地域医療貢献加算創設後、病院への救急が若干減少傾向にあることを示し、「一定の効果がある」とコメント。さらに、「地域医療貢献加算はコンビニ救急の救済・是正というのが一番大きな目的であった」と述べ、「これをどうするのか、かたちをどういう風にすれば、(地域医療貢献加算取得病院数は)より実態として増えるのか、ということはぜひ今後の議論でご協議していただきたい」といった主旨の発言をしました。 また、都道府県によって診療所の届出割合に差があることについて、最も地域医療貢献加算の届出割合が高かった石川県について「ひとえに石川県医師会会長の号令のおかげである」と述べ、ほかの地域についても、地域医療貢献加算に対する「こうした理解が進んでいけば良い」と主張しました。

一方、明細書の無料発行の義務化について、関原健夫委員(財団法人日本対がん協会常務理事)は「大病院では明細書が発行されない(場合がある)というのは非常におかしい」と述べ、「大病院は、医療費が高くて医療の内容がわかりにくい」ケースが多いため、明細書を発行していない、大病院についても今後、明細書の発行を義務化していく方向に今後議論していくべきといった内容の発言がありました。これについては、同様の意見を述べる数人の委員がいました。 そのほか、「公費負担のため支払い義務がない患者さんにも、どの程度の金額がかかっているのかを理解してもらうために、明細書をもっと確認していただいたほうが良いのでは」といった意見などもありました。 最後に森田朗会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)から、今回あがったいくつかの問題点を踏まえ、「制度そのものが公正かつ合理的にできあがっているというと必ずしもそうではない」と述べ、制度としてのいくつかの前提条件の変更も視野に入れながら、「今後、より具体的な検討をすすめていきたい」と発言されました。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。