GHCブログ

2011年12月05日

中医協 複数の診療科を受診した場合に2科目の再診料を一定の割合で算定可能となるように検討

先週末、各地ではいちょうやもみじの葉が色づき、紅葉が見ごろを迎えていたようです。 今年は、例年よりも、紅葉のピークが遅いため、まだまだ紅葉を楽しめる地域があります。 2011年の色鮮やかな秋の景色を楽しんでいない方は、ぜひ紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。

さて、11月30日、厚労省で中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)が開催されました。議題は、「外来医療(特定機能病院などでの専門特化外来、他医療機関受診、複数科受診など)」について。

今回の配布資料のなかにも10月5日の中医協 (10月5日ブログはこちらから→/ghcblog/index.php?d=20111005)の資料として、活用されたGHCの分析資料が再度、紹介されていました。


図 患者動態分析(GHC分析資料)




こうした資料をもとに厚労省は、外来医療における今後の方向性とその論点について見解を示しました。 厚労省としては、12月1日に、社会保障審議会(社保審)から、「24年度診療報酬改定に向けた基本方針の最終案」にも示されていたように、「病院勤務医や医療従事者の負担軽減」を重点課題とし、「医療の機能分化の推進」をめざしています。

それを踏まえて、外来医療での課題を抽出し、課題と論点を提示しました。 まず、特定機能病院などでの専門特化外来については、配布資料(『特定機能病院の現状(業務報告から)』)を参考に平成15年の調査と比較し、厚労省は、特定機能病院が「入院の患者数は減っていて、外来の患者数は増えている」と指摘。外来医療の機能分化を促進していくためにも「紹介率が低いところは一定の対応をしていくべきではないかと思う」との見解を示しました。


図 特定機能病院の現状(業務報告から)



続いて、1日に複数の診療科を受診した際の初・再診料について意見を交換。現行の制度では、1つの医療機関で同じ日に、複数の診療科を受診した場合に、「初診料、または再診料を1回のみ算定すること」とされています。 これについて、厚労省から、「同じ日に受診した2科目の再診料を一定の割合で算定できるようにしてはどうか」という提案(図 対応案参照)がありました。 これに対して、医療提供者である診療側からは、1日に1人の患者さんが複数科を受診した場合、2科目の医師から「私の技術についての評価はないのか」などの意見があったことを示し、厚労省側の提案に賛同しました。 一方、支払い側からは、「初・再診料が具体的に何を評価しているものなのかを明確にしてほしい」という要望が示され、厚労省に対して、コスト調査の再開が訴えられました。

図 対応案



また、他医療機関受診については、精神・結核病床や有床診療所に入院している患者さんが透析などで他の医療機関を受診する場合に限定し、入院基本料の減額幅を縮小してはどうかという案を厚労省が提示。大きな異論なく委員の合意がほぼ得られました。


参考:厚労省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会(第209回) 議事次第」 医療提供体制(その2:外来医療/他医療機関受診、複数科受診等) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o-att/2r9852000001wje3.pdf

今回ブログに使用した資料は P15「患者動態分析」 P18「特定機能病院の現状(業務報告から)」 P47「対応案」 になります。

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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。