2012年01月16日
中医協 患者への相談支援体制の充実を評価。ソーシャルワーカーなどの一定の資格をもった人の設置を想定
本日は前回に引き続き、先週の金曜日に開催された、
中央社会保険医療協議会 総会(中医協)の様子についてお伝えいたします。
中医協総会前の診療側委員
厚労省が「
平成24年診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」としてまとめた資料のなかの「
重点課題1-3 救急外来や外来診療の機能分化の推進について」の(2)の複数科受診の再診料について(下記)、今回、診療側と支払い側で大きく意見が分かれました。
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厚労省資料6ページ(2) から
(2)地域医療がより円滑に推進されるよう、以下のような初・再診料及び関連する加算についての検討を行う。1 同一医療機関において同一日に複数の診療科を受診した場合は、再診料を1回のみ算定することとされているが、効率的な医療提供、患者の便益、診療に要する費用等の観点から、同一日の2科目の再診の評価を検討する。
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同案について、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、「
複数科受診の再診料は医師がプライドもって医療を提供するために大切」といった主旨の内容をコメントし、賛同の意向を示しました。一方、支払い側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)からは、「
複数科受診にはいろんなケースがある。その辺の整理がつかないまま、複数科を受診した場合に算定できるのはよくない」といった内容の意見が述べられました。この件については、意見が対立したまままとまらず、今回の議論を踏まえ、次回の中医協総会で厚労省が何らかの方向性を示すこととなりました。
地域医療貢献加算の内容の再編成については(下記)、診療側、支払い側ともに賛同。診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、名称が大袈裟と述べ、「
例えば、“電話対応加算”などに変更してはどうか」と発言。さらに、「
24時間365日と厳密に規定されると同加算を算定することが難しい診療所もある。コンビニ受診は準夜帯(夜間の数時間)が多い。準夜帯のみ対応できる医師と24時間対応可能な医師とを分けて評価できる仕組みを検討してほしい」といった内容をコメントしました。
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厚労省資料6ページ(2) から
3 地域医療貢献加算については、夜間・休日等に対応している診療所の評価につながっており、病院の時間外受診に対する効果も見込まれていることから、更なる促進のために地域医療貢献加算の再編成について検討する。
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在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院(以下「在支診・在支病」)について、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)から「
在支診・在支病以外でも看取りをやっている医療機関はある。これについてもきちんと評価してほしい」といった意見がありました。
そのほかさまざまな意見があがった項目が「
患者に対する相談支援体制」の整備について(下記)。診療側の嘉山孝正委員(独立行政法人国立がん研究センター理事長)からは「
サポート体制の人を雇う場合、どういう人を雇うべきか何らかの基準を設けるのか」といった質問があがり、厚労省担当官から「
ソーシャルワーカーなど一定の資格を持った人を想定している」といった回答がありました。
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厚労省資料24ページ2-(2) から
2-2 患者に対する相談支援体制の充実等について
(1)患者等に対する相談窓口の設置など、患者サポート体制を充実するとともに院内トラブルに対する具体的な対応策をあらかじめ準備し、患者の不安の解消に積極的に取り組んでいる医療機関への評価を新設する。
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なお、今回、議論した内容を踏まえて、厚労省が資料を整理し、次回
中医協総会(18日)で再度議論し、パブリックコメントを求めるようです。
【参考資料】厚労省ホームページ「これまでの議論の整理(現時点の骨子)(その1)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zphk-att/2r9852000001zplz.pdf—–
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