2012年01月30日
中医協 基礎係数導入における経過措置平成30年度まで延長
1月30日、
中央社会保険医療協議会(
中医協)総会が厚労省12階の会議室で開催されました。
総会開催前の中医協委員の様子
さて、本日は、前回に引き続き、平成24年度診療報酬改定における「
個別改定項目について その2」が公表されました。
そのなかで、1月25日に公表された「
平成24 年度DPC 制度の見直しへの対応」に明記されていた、基礎係数への完全移行の時期(平成28年)が、平成30年まで延長されることが提案され、委員の合意を得られました。
今回、経過措置の期間が延長された理由について、厚労省担当官は、「
平成22年度改定での機能評価係数2の導入に伴う(暫定)調整係数の設定は、各医療機関への影響が等しくなるような設定とした。しかし、今回改定以降は、最終的な基礎係数+機能評価係数2に近づける方向に暫定調整係数を設定することとなり、医療機関への影響は施設によって大きく異なる」ために、大きな影響を受ける可能性がある医療機関に配慮したためであることを資料ともに説明しました。
厚労省が今回のような結論を出した試算結果が
表になります。
調整部分の置き換え割合が25パーセントと50パーセントでは、マイナス2.0パーセント以下、プラス2.0パーセント以上の医療機関の数に差があり、25パーセントの置換え率で見直した場合、大多数の医療機関は2.0パーセント変動の範囲内に収まっていることがわかると思います。
(資料総-3-2P4 から)
表 平成24 年度改定での置換え割合と置換えによる推計変動率(※)の分布
※ 調整係数の見直し(機能評価係数2への置換え)による変動の推定値。改定前の点数表と診療実績(平成22年10月~平成23年9月)による暫定的な推計(今回改定の影響を含まず)。
制度全体の移行措置に伴う個別の医療機関別係数の変動についても、「
激変緩和の観点から一定の範囲内(医療機関係数別係数の変動の影響による推計診療報酬変動率(出来高部分も含む)に基づき、2.0パーセント程度を超えて変動しないと考えられる範囲)となるよう暫定調整係数を調整する措置」も併せて実施するようです。
なお、今後の段階的な改定スケジュールは、平成24 年度改定において、改めて調整部分の25パーセントを「機能評価係数2」に置き換え、残りの調整部分を「暫定調整係数」として設定。その後、次回改定(平成26年を想定)及び次々回改定(平成28年を想定)の経過措置を経て、3回後の改定(平成30年を想定)において「基礎係数」と「機能評価係数2」への完全移行をめざすとのこと。
この提案について、支払い側委員から、厚労省に向けて「
スケジュール公表後に、スケジュールを変えることの社会への影響を重く受け止め、もっと慎重さをもってほしい。この激変緩和は一種の経過措置。2年経って、このような経過措置をとるようことがないようにしてほしい」といった主旨の内容の要望がありました。これに対し、厚労省担当官は、「
今後慎重を期したい」と回答しました。
また、今回、出来高算定病院が、診療している患者の病態や実施した医療行為の内容等についてデータを提出した場合や、DPC対象病院が外来診療に係るデータを提出した場合の評価についての具体案が公表されました。
なお、DPC対象病院が外来診療のデータを提出した際のデータ提出の評価(機能評価係数2・データ提出係数の一部を含む)については、機能評価係数1として当該評価との整合性を図りつつ整理(統合)するようです。
そのほか算定要件や施設基準なども公表されました。(資料総-3-1P92-93を参照)
この提案に対し、白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)から「
これは患者負担になる。これを実施する目的として出来高病院とDPC病院の経営のためなどという理由だけではなく、患者のためにやるという表現も加えてほしい」といった主旨の内容を訴えたところ、厚労省担当官は了承しました。
参考資料:厚労省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会 (第219回) 議事次第」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html
個別改定項目について(その2)
総-3-1
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670-att/2r985200000216cz.pdf
総-3-2
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670-att/2r98520000021db8.pdf
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