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2012年02月01日

中医協 「附帯意見」決定、同一診療科の2科目の再診の評価に支払い側委員も了承

2月1日、中央社会保険医療協議会中医協)総会が厚労省の17階の会議室で開催されました。 総会前の診療側委員席の様子 本日の論点は、これまで公表された「短冊(個別改訂項目について)」に関する議題と本日公表された「平成24年診療報酬改定に係る答申書附帯意見(案)」について。 厚労省としては、2月の答申を目前に控え、文言など具体的な内容に関する議論は、本日で最後にしたかったようです。そのため朝9時からスタートした中医協は、2回の休憩をはさみつつ、終了予定時刻を2時間程度オーバーして、14時近くに終了しました。 長時間に及んだ中医協の多くの時間を費やして議論された「附帯意見案」は、最終的には、厚労省が議論内容を踏まえ、修正を加えた文書が休憩中に配布され、その場で全委員の承諾を得て、決定しました。 「附帯意見」のなかのDPC制度に関わる部分は下記。 (資料総-3 P2から) DPC制度については、医療機関群の設定、機能評価係数2の見直し等の影響を踏まえながら、今後3回の改定を目途に継続する段階的な調整係数の置換えを引き続き計画的に実施すること。その際、臨床研修制度を含めた他制度への影響についても十分に調査・検証するとともに、見直し等が必要な場合には速やかに適切な措置を講じること。また、DPC対象の病院と対象外の病院のデータの比較・評価を行うこと。 これについては各委員から特に意見などはなくこの文言で決定しました。 そのほかいくつか加筆・修正などが加えられました。 まず、同案の「平均在院日数の減少や社会的入院の是正など、入院医療や外来診療の機能分化の推進や適正化について引き続き検討を行うこと」の「社会的入院」という表現について、診療側委員の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)から「“社会的入院”は現在いろんな意味で使用されており、憶測や誤解を招くので“長期入院”としたらどうか」といった主旨の提案がありました。この意見については支払い側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)も賛成し、「長期入院」と修正されることとなりました。 また、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「診療所」の医師の負担軽減に関する内容を「附帯意見」のなかに盛り込むように強く訴え、「医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の見直しについて影響を調査・検証するとともに、診療所を含む当該地域全体の医療の状況の把握なども踏まえ、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること」というように、原案から「診療所を含む」という言葉が加筆された案に決まりました。 また、これまでの議論を踏まえ、修正された「短冊(個別改訂項目について)」についても議論されました。 これまでずっと、支払い側と診療側の意見が対立していた、同一日の複数科受診における2科目の再診の評価については、支払い側委員が妥協する方向で決着がつきました。 前回の資料と比較し、今回の資料では下記の赤字部分が加筆されていました。 (資料総-2-2-参考 P29から) 同一医療機関において同一日に複数の診療科を受診した場合は、再診料を1回のみ算定することとされているが、患者が医療機関の事情によらず、自らの意思により2科目の診療科を受診した場合には、効率的な医療提供、患者の便益、診療に要する費用等を踏まえ、同一日の2科目の再診を評価する。 支払い側の白川委員は、「複数科を受診するということは複数の医師が診断行為を行うこと。これは評価しなければならないことはわかる」と発言し、「高齢者にとって、この負担は大きい。病院の経営には資するかもしれないが、患者負担が増えるので、反対だが、方向としては止むを得ない」と述べました。 あわせて、「2科目の再診料を低額に設定すること」や、「慢性期病院では、高齢者が多いので、考慮してほしい」などといった要望があがりました。 この件については、次回総会までに全体の点数配分のバランスなどを考え厚労省から提案してもらうことで各委員、納得しました。 「地域医療貢献加算」については、実情にあった、「時間外対応加算」に名称が変更されることとなりました。 なお、次回の中医協では、次回改定における具体的な点数案が出る予定とのこと。 参考資料:厚労省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会 (第220回) 議事次第」 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1.html 総-2-1-参考 個別改定項目について(その1) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021o64.pdf 答申書の附帯意見案について 総-3 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021cpz.pdf

広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。