2012年07月27日
基礎係数・機能評価係数2の次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題の枠組みを決定
本日、DPC評価分科会がグランドアーク半蔵門(東京都千代田区)で開催されました。
今回の議題は、
1、
外来診療に係るデータの提出について
2、
基礎係数・機能評価係数2の次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)
の2点。
まず、厚生労働省(以下、厚労省)は、外来診療に係るデータの提出について、「
データ提出加算1(入院診療データ)」に係る届出手順を提示(下記)。
■「データ提出加算1(入院診療データ)」に係る届出の手順
【DPC対象病院およびDPC準備病院(平成23年度以前から)】
・既にデータ提出の実績があるため、様式40-7「データ提出加算に係る届出書」を提出することによって平成24年4月より算定可能
【平成24年度新規DPC準備病院】
・様式40-5「DPCフォーマットデータ提出開始届書」を届け出た上で、試行データ(平成24年4月~6月)が適切に提出されたことが確認されると、医療課より「通知」がくる
・「通知」を受けた後、様式40-7「データ提出加算に係る届出書」を提出することによって、平成24年9月より算定可能
【出来高算定病院】
・様式40-5「DPCフォーマットデータ提出開始届書」を届け出た上で、試行データ(平成24年6月~7月)が適切に提出されたことが確認されると、医療課より「通知」がくる
・「通知」を受けた後、様式40-7「データ提出加算に係る届出書」を提出することによって、平成24年10月より算定可能
続いて、「
データ提出加算1(入院診療データ)」の届出に関する手順を基に「
データ提出加算2(入院診療データおよび外来診療データ)」の届出に関する手順案が厚労省から示されました。
厚労省は、平成23年度時点でDPC対象病院又はDPC準備病院であった病院、平成24年度新規DPC準備病院については、「
データ提出加算1(入院診療データ)」の手順と同様の取り扱いとすることを提案。同案については、各委員が合意。なお、出来高算定病院については、データ提出の実績が確認された旨の医療課からの「
通知(写)」を、様式40-7「
データ提出加算に係る届出書」に添付することが義務付けられました。
また、「
基礎係数・機能評価係数2の次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について」は、厚労省がこれまでの検討課題を整理した資料を基に議論を進行。
これまでの議論をまとめた資料のなかの「
機能や役割に応じた適切な医療機関群としての評価により、各施設が2群となることが病院運営において必ずしも有利になるとは限らない」という表現について、
三上裕司(日本医師会常任理事/特定医療法人三上会 総合病院東香里病院理事長)委員から、「
前回、必ずしも2群が3群よりも有利になることはないとおっしゃっていたが、そんなことはないのでは」という主旨の意見があがりました。
これについて厚労省担当官から「
2群では(実績要件を満たすためには)かなりの医療資源の投入やマンパワーが必要になる」と述べ、基礎係数の差が必ずしも病院経営上、有利になるとは限らないといった主旨の内容を回答。それに対し、
三上委員は、「
3群を2群のレベルにあげることは非常に経費がかかることはよくわかる。単純に3群と2群の境目に位置する医療機関は、明らかに2群と評価されたほうが有利ではないか」と質問。
厚労省担当官は、「
2群と3群のボーダーにある医療機関はおっしゃる通り」と
三上委員の主張を認め、重要なポイントとして、「
2群になることが単純に是だということにはならない」と強調しました。この回答に三上委員も納得した様子でした。
また、今回、平成26年度改定に係る基本方針の具体案と平成30年までの大まかな検討課題などが示され(以下)、各委員、合意。各議題の詳細な内容の議論は次回以降に引き続き実施することとなりました。なお、次回、議論した内容をまとめ、中央社会保険医療協議会での承認を得る予定。
(厚労省資料D-2P4-5から)
■平成26年度改定対応に係る基本方針の具体案
1基礎係数・機能評価係数2による評価体系の基本骨格
・ 平成24年度改定の経緯も踏まえ、医療機関群別の基礎係数と各施設の実績に基づく機能評価係数2(一部病院群別)という評価体系の基本骨格は維持することしてはどうか。
2 医療機関群の設定
・ 現行の1群(大学病院本院)及び2群(1群に準じる病院)は、引き続き維持することとしてはどうか。また、1群及び2群以外の病院(3群)に関する医療機関群設定のあり方については、今後の実績を踏まえて、平成26年度改定の対応において検討することとしてはどうか。
・現行の2群の要件である、「診療密度」、「医師研修」、「高度な医療技術」、「重症患者に対する診療」について全て1群(大学病院本院)の最低値(但し、外れ値を除く)をクリアする、という考え方については、引き続き維持することとしてはどうか。また、それぞれの要件の具体的な評価手法については、現行の評価手法を基本としつつ、今後の実績を踏まえた必要な見直しについて、平成26年度改定の対応において検討することとしてはどうか。
3機能評価係数2の評価体系
・現行の6項目による評価(うちカバー率、複雑性、地域医療は群別の評価)の体系自体は原則維持することとし、新規評価項目の追加については今後、引き続き検討することとしてはどうか。
・各項目の具体的な評価手法(指数から係数への変換等)については、今後の実績や医療機関の機能分担・連携の進展状況等も踏まえながら、必要に応じて見直すこととしてはどうか。
■基礎係数・機能評価係数2に係る今後の検討課題(たたき台)
1平成26年度改定に向けた課題(今後の診療実績等を踏まえた必要な見直しは除く)
・DPC病院3群のあり方
2平成30年度目途の調整係数置換え完了に向けた中長期的な課題
・DPC/PDPS対象病院のあり方(小規模病院、専門病院などの評価のあり方を含む)
・ 医療機関における診療内容等の変動(バラつき)と基礎係数・機能評価係数2による調整分の推移(個別医療機関におけるバラつきに対する評価のあり方)
参考:平成24年度第4回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002fimw.html
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