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2012年11月29日

病院の高額医療機器投資に関する調査票案に対する疑問の声多数。再審議に

11月28日、厚生労働省(以下、厚労省)で中央社会保険医療協議会総会(以下、中医協)が開催されました。 厚労省にある講堂で開催 今回は、医療機器、臨床検査の保険適用承認のほか、先進医療会議の検討結果報告、診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会からの報告が行われました。 医療機関等における消費税負担に関する分科会(座長:田中滋・慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)からは、医療機関43施設(病院13施設、一般診療所10施設、歯科診療所10施設、薬局10施設)の設備投資に関する予備調査結果が報告されました。同調査は、各施設の平成23年度の固定資産台帳に記載されている、平成14年4月から平成24年3月までの10年分のデータのほか、追加的に各種データを収集し分析。 今後、消費税増税にともない、病院が高額な設備投資をした場合に生じる負担への手当を検討し、「高額投資」の定義や範囲を明確化するための本調査を実施する予定。本調査のスケジュールは以下の通り。 ●調査開始時期:平成25年1月中旬目途 ●受託業者から厚生労働省に対する報告時期:平成25年3月末目途 今回の中医協では本調査の調査票案も提案されました(以下)。 医療機関等の設備投資に関する調査 調査票(案) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002p1u8-att/2r9852000002pixf.pdf しかし、数名の中医協委員から同案の内容に関する疑問の声があがり、了承見送りとなりました。 多くの委員がこだわった点が、以下の質問にある、全ての医療機器の金額を記載しなければならない病院と、500万円以上の高額機器のみを記載すれば良い病院の病床数と、高額機器の金額の定義でした。 同案P3に記載————————————————————————————— 1.固定資産台帳に掲載されている医療機器、調剤用機器及び医療情報システム用機器のうち、直近の5事業年(度)中に取得し、かつ取得価格が次の金額以上の機器がありますか。ある場合、その詳細について以下の表にご記載ください。 ○病院(300床未満)の方:金額によらず全ての機器についてご記載ください。 ○病院(300床以上)の方:原則として500万円以上の機器についてご記載ください —————————————————————————————————— 同文言について、「調査に回答した全医療機関の全医療機器の金額を調査するべき」、「300床以上ではなく、大規模病院というなら500床以上の場合も検討してほしい」、「300床以上、500万以上とした根拠を教えてほしい」などの質問や疑問が次々とあがりました。 最終的には、これらの意見を踏まえ、森田朗会長(学習院大学法学部教授)と田中座長で協議した案を、中医協にて再審議することになりました。 参考資料:厚労省ホームページ 中央社会保険医療協議会 総会 (第234回)議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002p1u8.html

広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。