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2014年04月30日
第100回となる社会保障審議会「介護給付費分科会」が開催され、2015年度に実施される介護報酬改定に向けた最初の議論が行われた
社会保障制度の一つで2000年から始まった介護保険は、サービスを提供する事業者に支払われる介護報酬が3年に一度、見直されます。2015年度に実施される次の介護報酬改定に向けては、同じ社会保障審議会の介護保険部会が13年12月、改定内容の大枠に関する「意見書」を取りまとめました(参考:社会保障審議会介護保険部会意見)。この意見書などに基づき、具体的な報酬や基準を決定するのが介護給付費分科会で、この日今年度初めての会合を開き、分科会を構成する委員からさまざまな意見を募りました。 高杉敬久委員(日本医師会常任理事)は、医療・介護従事者が役割分担をしたチームにより、医療機関や介護施設だけではなく、在宅でも看取りが可能であることを指摘した上で、認知症の人の鉄道での死亡事故に言及。「『認知症の人を地域で見よ』とする政策が進められる一方で、ちょっと目を離した結果での列車事故について、(認知症の人の家族を)法が裁いて賠償責任というのはおかしな話だと、わたし自身は思います。このことについて、皆さんでもしっかりと議論していただきたい。それができなければ、地域で認知症は見ることなど全くできません」としました。ほかの委員からも高杉氏の指摘に賛同する声が寄せられ、「(判決は)絶対に認められない」などの意見もありました。具体的な報酬や基準は12月中旬をめどに取りまとめられる見通し
この日の会合では、14年度の診療報酬改定に関連する意見もありました。齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は、入院患者の「在宅復帰率」がいろいろなステージの入院基本料や入院料の施設基準に組み込まれた影響で、「医療依存度の高い人が在宅で暮らしていく時に、特に夜間、急性期の治療が終わったような方を本当に在宅で支えきれるのか心配」との見方を示しました。入院患者の在宅復帰率が向上すれば、それだけ在宅の医療支援体制も整備する必要があるためです。 こうした懸念への解消策として、「定期巡回・随時対応サービス」の充実や普及の必要性を訴える意見がたくさんあり、今後の議論の重要な争点になる見通しです。 この日の会合では、厚生労働省が提示した今後の検討の進め方について了承しました。それによると同分科会では今後、月に2回程度会合を開き、今年夏ごろまでに総論の検討や事業者団体ヒアリングを行い、秋ごろから在宅サービスや施設・居住系サービスの各論の議論に入ります。介護報酬や基準に関する基本的な考え方は12月中旬をめどに取りまとめる計画です。 【関連資料】社会保障審議会介護保険部会意見 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000033012.html広報部 | |
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