GHCブログ

2014年03月18日

病院関係者500人が参加! GHC診療報酬改定セミナー

3月15日(土)、ベルサール半蔵門(東京都千代田区)にて、国際医療福祉大学大学院教授の高橋泰氏と前・厚生労働省保険局医療課長の鈴木康裕氏を外部講師に招き、GHC主催の『2014 年度診療報酬改定シミュレーションセミナー?待ったなし!病床機能別に注力すべき方向性を前・厚生労働省保険局医療課長鈴木康裕氏と高橋泰教授が徹底解説?』を開催しました。 当日は、北は北海道、南は沖縄県まで、医療機関の経営者の方々、約500名の方にご参加いただき、盛況のうちに幕を閉じました。ご多忙のなか、セミナーにお越しいただいた皆様には、心より感謝いたします。ありがとうございました! zenkei  
これからの病院経営を支援するGHCの新プロジェクト
アキよしかわ(米国グローバルヘルス財団理事長) はじめに、GHCの母体となる米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわが、開会の挨拶とともにGHCの事業を紹介。その後、2012年度診療報酬改定が、「将来の方向性を決める“hop, step, and jump”の“hop”である」と発言した当時の厚生労働省の診療報酬改定の担当課長であり、本セミナーの演者である鈴木康裕氏の言葉を引用しながら、団塊世代がすべて75歳以上を迎える2025年の超高齢社会に対応できる医療提供体制を構築するための大きな流れができていることを説明しました。 そして、2014年度診療報酬改定で、19種類の短期入院に、1入院当たりの包括払いを導入したこと(「なんとなくDRG」と表現)、これらの患者が平均在院日数の計算対象から外されたこと、DPC制度において点数設定方法 D(高額薬剤に対応するため、入院初日に薬剤費を集約する点数方式、いわゆる「隠れDRG」)の適用のあり方を、高額な薬剤を使用する場合だけではなく、高額な材料を用いる検査(心臓カテーテル検査)等についても拡大されたことなどを例にあげ、DRG化が促進された改定であったことを指摘。GHCが開発した診療報酬制度の計算やシミュレーションができるフリーソフト「ぽんすけ 2014」での計算画面を示しながら各改定内容について詳しく解説しました。 また、分析時間を短縮し経営カイゼンに時間をかける重要性を述べ、GHCが提供する瞬時に、視覚的に主要な経営指標を把握できる次世代型病院経営支援サービス「病院ダッシュボード」を紹介。最後に、今後急性期病院に必要とされる経営戦略をサポートするGHCのコンサルティングサービスとして「病床戦略策定プロジェクト」「看護必要度プロジェクト」「組織活性型コスト削減プロジェクト」「外来化プロジェクト」「医療の質ベンチマークプロジェクト」について解説しました。その中で「組織活性型コスト削減プロジェクト」が、『日経ヘルスケア(3月号)』(日経BP社)で取り上げられた記事を紹介し、挨拶を締めくくりました(関連記事はこちら /3863.html)。 aki01 よしかわ
7対1病床の削減が確実に進行する2014年度改定
渡辺幸子(GHC代表取締役社長) 続いて、GHC代表取締役社長の渡辺幸子が「最新!診療報酬改定の影響をシミュレーション~急性期らしさへの挑戦~「機能分化」と「連携」今やるべきこととは?」と題して講演しました。 講演で渡辺は、2025年問題など、日本が抱えている社会保障に関する課題や国の施策を解説した後、社会保障制度改革国民会議における大島伸一(国立長寿医療研究センター総長)氏の言葉を紹介し、今後の医療提供体制が「病院完結型」から「地域完結型」へと変化していくことを説明しました。 また、渡辺は、2014年度診療報酬改定の「重点課題」として、「機能分化」と「連携」を挙げ、こうした課題を解決するための3つのポイントとして「7対1入院基本料の要件の厳格化」「地域包括ケア病棟の創設」「紹介・逆紹介率の厳格化」を示しました。 さらに今後急性期病院に求められる条件として、「急性期らしい高度重症度・高診療密度」と強調し、そのためにも「在院日数短縮と重症患者の集約が必要」と指摘。その後「急性期病院らしい」病院を見極めていくために設けられた改定項目や点数設計の詳細を解説しました。 最後に、「2014年度診療報酬改定によって7対1入院基本料を算定している病床の削減が確実に進められること」、「「在院日数の短縮」と「重症度・医療看護必要度」が病院経営的に大きなインパクトを持つこと」「病棟マネジメントの重要性が更に高まること」など、2014年度診療報酬改定が、病院に与える影響を予測。そのうえで、2025年を乗り越えるためには、「将来の地域医療ニーズをよむこと」「 国の施策をよむこと」「現実を直視すること」が重要であること訴えました。 watanabe01 渡辺
国民の死生観を変えるための改定
高橋泰氏(国際医療福祉大学大学院教授) 続いて、国際医療福祉大学大学院教授の高橋泰氏に、「これからの医療福祉提供体制のあるべき姿を考える」と題してご講演いただきました。 高橋氏が強調したのは、今回の改定は「国民の死生観を変えるための改定なのではないか」ということです。「とことん型」で手厚い医療・介護を提供する自治体より、「まあまあ型」で必要最低限の医療・介護を提供する自治体の方が、住民の健康状態が比較的良いという事例紹介や、日本は海外諸国と比較して胃ろうなどによる延命処置が多いことなどを指摘。今回の改定が「とことん型医療」から「まあまあ型医療」への転換を促すきっかけとなるとした上で、「国民は静かな死を受け入れられるよう、老い方、死に方を考え直さざるを得なくなった」としました。 そのほか、2025年に向けて、東京周辺から地方都市への移住を促す必要性を指摘。人口が集中する東京周辺では医療・介護の提供体制が難しくなる可能性があるためで、地方都市は東京周辺よりも十分な医療提供体制があり、生活水準をワンランク上げることができるという事実の周知が必要であるとしました。また、会場の参加者同士でディスカッションする時間を設けたことで、参加者同士が講演中に名刺交換や自己紹介をする機会があったことも印象的でした。 takahashi2 高橋氏
死に場所のない47万人を作らないための大改革
鈴木康裕氏(前・厚生労働省保険局の医療課長) 最後に、厚生労働省保険局の前医療課長で、今は防衛省衛生監の鈴木康裕氏が、「2025年に向けたロードマップ:環境変化と自己変容」と題してご講演されました。 鈴木氏は講演で、国が推進する「社会保障と税の一体改革」が今なぜ必要なのかという論点と、今回の診療報酬改定についての2つの論点に絞って解説しました。社会保障と税の一体改革については、現状の社会保障制度のままでは、2030年に病院でも介護施設でも、さらには自宅でも死に場所がない人が47万人に膨れ上がってしまうとする厚労省の将来推計に着目。「社会保障と税の一体改革」はこうした最悪の事態を回避するための改革で、医療分野では施設と患者のミスマッチや医療機関の統廃合、医療従事者の過重労働などの課題に対して、機能分化と社会保障に関する責任の地方自治体への移転、多住な住まいやメディカル・モールの整備、DPCを活用した医療計画、遠隔診療の推進などが必要であるとしました。 今回の診療報酬改定については、一例として7対1病棟に導入される在宅復帰率75%以上の新基準について、今後は急性期病棟から在宅復帰機能をもたない療養病床に患者が流れなくなる可能性などを指摘。その上で、2025年に向けて今後の医療機関に求められることは、(1)自院の立ち位置の見極めとブランディング(2)選択と集中、雇用調整のスピード(3)公的セクターとの距離感、の3つを挙げました。 講演の最後では、財務省が所管の今後の消費税増税の読み方について、かなり踏み込んだ発言もされましたが、「あくまでわたしの所属は防衛省です」として会場の笑いを誘い、講演を締めくくりました。 suzuki2 鈴木氏 ぽんすけ 2014 /ponsuke 病院ダッシュボード http://dashboard.ghc-j.com/ GHCサービス案内 /service

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。