2014年01月01日
2014年新年のご挨拶(GHC渡辺幸子)
新年明けましておめでとうございます。
旧年中は一方ならぬご厚情を賜わり厚くお礼申し上げます。
2013年を振り返ると、アベノミクス効果で日本経済に復活の兆しがみえる中、2020年の夏季五輪・パラリンピックが東京で開催決定!、さらに多くの日本人の心のよりどころでもある富士山が世界文化遺産へ登録という大変嬉しい出来事がありました。
一方、大型で強い台風によって生じた伊豆大島での土石流災害、そして海外でも猛烈な台風30号がフィリピン中部を直撃し約1600万人が被災するなど世界規模の自然災害に、忍び寄る地球温暖化の足音として脅威を覚えた人も多いでしょう。また隣国との領土問題・外交・経済における混迷状態の長期化は国家レベルでのクライシスを危惧する声も聞かれます。
我が国の財政事情に目を向けると、
国民医療費は既に40兆円の大台を突破、
国債残高がGDPの2倍強の1000兆円を超え、国際的にも歴史的にも最悪の水準で(太平洋戦争の末期と同水準)国家は財政危機に瀕しています。今後、労働人口が減り団塊の世代が75歳となる2025年に向かい、医療・介護の社会保障費の伸びは経済成長を更に大きく上回る事態が容易に想像できます。今年4月に引き上げられる消費税は将来10%でも不十分でしょう。
2014年度の診療報酬改定率が全体でプラス0.1%(本体+0.73%、薬価-0.63%)と公表されましたが、消費税増税によって病院負担分となるプラス1.36%分を差し引くと実質的にはマイナス1.26%。今回の改定を「実質マイナス改定なんてあり得ない」とみるか、逆に「医療費への切り込みはまだまだ不十分」と捉えるか、視点や立場によって見解は様々ですが、少なくとも高齢者が増えるからという理由で医療費が膨らむのを傍観するのではなく、それを抑える予算編成と医療提供を効率化する制度改革が不可欠です。
2013年を表す漢字は『
輪』でした。「2025年の日本の姿」を見据え、本年度の改定では、入院医療や外来医療の「機能分化」と「連携」、そして「在宅医療・介護の推進」に大きく力点が置かれています。実はこの力点は『輪』と通ずるところがあるのです。今まで在宅医療・介護とかかわりの少なかった急性期病院も、このような猛スピードの変化の中、地域ニーズである“切れ目のないケア”を提供する事が求められ、
地域医療の『輪』の中で自院の役割を果たす事が、地域で必要とされる病院でありつづけ生き残っていく方策となります。急性期から亜急性期、回復期、長期療養、在宅医療、そして介護と患者の状態に合った適切なケアを提供することができるよう、急性期病院は地域において自院の果たす役割と位置づけを見直す分岐点に立たされていると言えるでしょう。また患者の立場にたった「医療の質」の向上を追い続けることは、今後ますます急性期病院には求められていきます。
お蔭さまで
(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は創業10周年をむかえます。創業以来、病院経営支援のパートナーとして、経営の健全化と地域医療の充実をめざし、クライアント病院の皆様が患者・地域住民のために最大限の価値を提供できるよう支援に努めてまいりました。クライアント病院の皆様と一緒に海外の急性期医療と地域医療を学ぶため、2013年11月9日には我々の良き友でもある
ハワイのクィーンズメディカルセンター上級副社長/最高執行責任者(COO)のMark H. Yamakawa(マーク・H・ヤマカワ)氏を招聘し「クィーンズメディカルセンターの戦略とオバマケア」をテーマにご講演いただきました。
また、2011年に自社開発しリリースした次世代型経営支援サービス「
病院ダッシュボード」も本年4月で
3周年を迎えます。医療機関の皆様のご要望とご意見を基に進化を続け、現在では、全国約150病院の皆様にご愛用いただくまでになりました。これもひとえに多くの皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
過去に囚われることなく、変革に向かって挑戦していくことが、混沌とした時代や経営の不振を打開する最良の手段であると確信しております。
次の10年も時代の変化をいち早く察知するとともに、過去のコンサルティングの経験から、急性期病院の新たなニーズとシーズ(良質なサービスを提供したい欲求)に応えられる新サービスメニューの開発と提供、
患者の立場に立った「医療の質」の向上に重きを置いた医療を通じ、日本の医療を効果的・効率的にするための病院経営支援の『輪』を拡げてまいる所存です。
GHCのミッションである「
医療における質と経営の向上に向け、全知を傾け医療の発展に寄与する」ことをめざし、皆様に更なる価値を提供すべく、社員一丸となって邁進してまいります。
本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申しあげます。
GHCのメンバー@2013年冬季研修合宿
2014年 元旦
広報部 |
|
事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
|