2013年12月20日
DPC評価分科会 中医協総会での指摘を再議論!DRGは拡大路線へ!!
今年もいよいよあと2週間をきった18日、
診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下DPC評価分科会)が厚生労働省にて開催されました。
今回の議題は、先週の金曜日(13日)、中医協総会にて報告した『中間とりまとめ』(案)の中で、
再度、DPC評価分科会で議論するとされた検討課題と
その他の検討事項についてでした。
■再度、DPC評価分科会で議論するとされた検討課題
中医協総会で再度、検討指摘があったのは、
○
「後発医薬品指数」の評価上限の設定のあり方について
○3
日以内再入院ルールの見直しに係る上2桁コードによる一連の判定について
の2点です。
「
後発医薬品指数」では、中医協総会で、「目標値をもっと厳しくすべきだ」という意見があったため、評価の上限(目標値)を現行案の60%にするか(案1)、100%まであげるか(案2)を再度検討しました。
診療報酬改定時(2014年4月)の指標の判断は、「2012年10月1日~2013年9月30日」の実績評価とのこと。事務局(厚生労働省)より、「
2012年度の後発医薬品の使用割合の平均値が37.2%で、60%に達していない医療機関の割合は約90%」との報告がありました。
委員からは、「
60%に達している医療機関はわずかで、薬剤管理の現場の現状からみると、60%上限が現実的な目標設定」という意見が出されました。その結果、現状案である目標値を60%に設定し、「
使用割合が目標値に到達していない度合いに応じて減点」という案にて、中医協総会に報告することになりました。
図1
出典:平成25年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(12月18日開催)
厚労省配布資料「診調組D-1」P1より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032570.pdf
「
3日以内再入院ルールの見直し」に関しては、一連の入院と見なす基準を上6 桁コードから上2桁コードに変更した場合に新たに一連と見なされる組み合わせを2012年度のデータをもとに集計し、事務局から提示されました(図2参照)。
図2を確認すると、
再入院では関連する疾患が多いですね。委員からも「
データを見る限りでは一連としてみることが出来る」といった意見が出され、こちらも現在の案通り
「2桁コードによる一連の判定」で行うことを再度、中医協総会に報告することとなりました。
図2
出典:平成25年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(12月18日開催)
厚労省配布資料「診調組D-1」P3~
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032570.pdf
■その他の検討課題
この他、18日のDPC評価分科会では、今年度のDPC評価分科会で度々話題となってきた、
点数設定方法 D(高額薬剤に対応するため、入院初日に薬剤費を集約する点数方式、いわゆる「隠れDRG」)の適用のあり方を、高額な薬剤を使用する場合だけではなく、高額な材料を用いる検査(心臓カテーテル検査等)等についても拡大することが議論されました。ちなみに心臓カテーテル検査は、これまで
よしかわ(グローバルヘルス財団理事長)が講演などで、たびたび「
DRGにすべき」と指摘してきた検査です。
具体的には、(1)十分に普及、(2)7日以内入院が一定以上、(3)1入院あたりの化学療法等に係る薬剤等が高額、(4)入院中に複数回実施されるものは除外―という4つの観点から事務局が検討し分類。その結果、
点数設定方式D(隠れDRG) を適用すべきと考えられる診断群分類は、心臓カテーテル検査、前立腺生検などを含む計33 分類であったとのこと(図3)。こちらも分科会では了承されました。
図3
出典:平成25年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(12月18日開催)
厚労省配布資料「診調組D-2-1」P5~より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032606.pdf
更に、「
130100 播種性血管内凝固症候群」等、いわゆるアップコーディング事例が存在するとの指摘への対応策の報告もありました。今後、「130100 播種性血管内凝固症候群(DIC)」によって請求する際は、
「DIC の原因と考えられる基礎疾患」、「厚生労働省DIC 診断基準によるDIC スコア」、「今回入院中に実施された治療内容および検査値等の推移」の内容が記載されたものをレセプトに添付することを義務づけることを試行的に導入することが提案されました。
委員からは、「
『厚生労働省DIC 診断基準によるDIC スコアあるいは、日本救急医学会が作成した急性期のDIC診断(国際的に使われている基準)』という対応にしていただきたい」との提案があり、取り入れられ、対応策は了承されました。
DIC 以外で同様の対応とする診断群分類を追加することについては、次回改定(2014年度)以降、引き続き検討していく模様です。
今回のDPC評価分科会でまとめられた
最終案は、25日(水)の中医協総会で再度報告する見通し。次回のDPC評価分科会は、開催は未定ですが「次年度以降になる」(事務局)とのことです。
■内保連グリーンブックの配布
DPC評価分科会終了後、
工藤翔二委員(公益財団法人結核予防会 複十字病院長/内保連 代表)より『
内保連グリーンブック』がDPC評価分科会の各委員へ「内保連の主張している『
特定内科診療』(内科系技術を診療報酬評価に関する提案)であり、3年かけて作成したレポートなので冬休みに是非、読んで頂きたい」と配布されました。
この『
内保連グリーンブック ver.1 内科系技術についての診療報酬評価に関する考察』において、
GHCはDPC病院群Ⅱ群の実績要件3に関する提案部分での「DPC/PDPSでの特定内科診療DPC25疾患群の現状分析」の分析を行い、作成のサポートをしました(「
内保連の委託業務によりGHC社が分析を行った」(本文P154)と紹介されています)。2016年改定に向けても動き出しています。公開されたら、ぜひチェックしてみてください。
【参考資料】
平成25年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032462.html
※「隠れDRG」の解説につきましては、以下のインタビュー記事をご参照ください
CBニュース「大胆予想25年 民間の急性期医療は衰退へ- GHCアキ「いびつな医療体制に」(2012年8月9日配信)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37850.html
※診療報酬改定時の各指標の判断時期について、誤りがありましたので、訂正し更新しております。
記載ミスについて、お詫び申し上げます。
(誤)
2012年10月1日~2014年9月30日
(正)
2012年10月1日~2013年9月30日
広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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